返礼品がなくなりそう?法隆寺がクラウドファンディング大成功!返礼品は何なのか

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世界遺産である法隆寺がまさかのクラウドファンディングを活用し、大成功を納め話題となりました。クラファンを実施した初日には目標金額を達成してしまい、もはや返礼品の在庫が追いつかない異例の事態になっています。

そこで今回は世界遺産でもある法隆寺がなぜクラウドファンディングをしたのか、気になる返礼品はなんなのか、その詳細について掘り下げました。

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法隆寺がクラウドファンディングを実施、大成功

https://readyfor.jp/projects/horyuji

歴史の授業で言わずと知れた法隆寺。
世界遺産の法隆寺であったとしても金銭的にはシビアで国から援助されるわけでもないため、かかる費用はもろもろ参拝客の拝観料で賄っています。
日常的な設備のメンテナンスや警備、宝物の修理などの維持管理にかかる費用はなかなか安くはありません。
参拝客は海外からの観光客の割合が多いのですが、コロナ禍で国内外において参拝客が激減したことで費用の確保が難しくなったことからクラウドファンディングで支援を募ることにしたそうです。

6月15日に始めたクラウドファンディングは、1日足らずで目標金額の2000万円を達成。
23日時点で1億円の支援が集まります。

募集終了日は2022年7月29日午後11時で、その最終的な支援総額は156,975,000円目標金額 20,000,000円)、支援者7,453人という異例の結果となりました。
目標金額の7.8倍近くの支援金額が集まったことで返礼品がなくなるという事態も発生しており法隆寺公式はその対応に追われています。

法隆寺公式はこの反響に対してプロジェクトページで「『皆で護っていく』『皆の宝である』という篤いご支援ご厚情を多くの方から賜り、本当に有り難く、力強い皆さま方のお心持ちに対し感謝に堪えません」とつづっています。

法隆寺のクラファンは初めてではなかった

https://a-port.asahi.com/projects/horyuji1/

実は法隆寺がクラウドファンディングを活用したのは初めてではありません。
例えば2021年には「焼損した法隆寺金堂壁画を将来公開するため、研究調査の資金を集めたい」というも目的のもと、聖徳宗総本山・法隆寺の名目でクラウドファンディングを行い、成功しています!
その際は目標金額250万円のところ最終的に2,675,000円(達成率107%)支援者202人でした。

クラウドファンディングは手軽で誰でもチャレンジできる資金調達方法でありながら、目標金額に届かずに失敗する事例も少なくありません。多くの人から共感を得なければ成り立つことのないシビアな世界ですが、たびたびこのような歴史的に重要なモノを守ることに共感が集まっているということで愛国心にも似た日本の宝を守る心を感じ、同じ日本人として少し誇らしく思いますね。

(おさらい)クラウドファンディングって結局なに?

クラウドファンディングとは「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語になります。
資金調達といえば、一般的に金融機関からの借入や関係者・ベンチャーキャピタルによる出資などがあげられますが、クラウドファンディングは「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことができます。

クラウドファンディングは、そういった資金調達にはない「手軽さ」や「拡散性の高さ」、「テストマーケティングにも使える有用性」といった点が魅力的な新たな資金調達の仕組みとして近年注目されています。

中でも、「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題をこう解決したい」といったアイデアや想いを持つ人は誰でも“起案者”として発信でき、それに共感し「応援したい」「モノやサービスを試してみたい」と思った人は誰でも“支援者”として支援できる、双方にとっての手軽さがクラウドファンディング最大の特徴といえます。

(おさらい)法隆寺は世界遺産

法隆寺と一言にいっても厳密にはどこの何のことを指すのかは様々で
いわゆる世界遺産として登録された「法隆寺地域の仏教建造物」は、法隆寺と法起寺の二つの寺院における木造建造物を指します。
平成5年(1993年)に、姫路城とともに日本で最初の世界文化遺産として登録されました。

世界最古の木造建築でありながら文化交流の歴史を証明している建造物群は、世界的に類例がなく、木造建築物としてきわめて良好な保存状態なのが特徴です。

法隆寺が世界遺産に登録されている3つの理由

理由①世界でもっとも古い木造建築だから
理由②大陸と日本の文化交流について知ることができるから
理由③日本に仏教が伝わった直後に建てられたため、その後の日本の仏教建築物のお手本になったから

法隆寺の特徴ポイント

  • 国宝・重要文化財の宝庫である
  • 法起寺は聖徳太子の息子が建設した
  • 大地震でも倒れない五重塔、中心の柱と各階層が揺れを吸収する造りになっている
  • 使用している材料ヒノキと和釘で錆びにくく、腐りにくい造り
  • 美しさでも世界一と言われる五重塔、綺麗な二等辺三角形に見えるよう計算し尽くされている

返礼品はなし??もう在庫がない?!

返礼品として、お礼状や参拝券、南無仏太子像、複製百万塔などを用意していましたが「当初の想定をはるかに超える支援」(法隆寺)があったため、応募終了前の7月22日にはすでに返礼品の在庫が切れる事態になっていると公式から発表がありました。

その気になる支援プランは5000円から100万円までの16種類で以下の通りとなります。
各プランは「お礼メール・お礼状(印刷)」「公式ホームページにお名前掲載(希望制)」「限定御朱印(希望制)」プラスαといった返礼内容となっています。

返礼品のコース一覧

K|全力応援1万円
D|特別拝観+散華+参拝券
G|百万塔
H|百万塔+古材台
I|侍者像+古材台
J|お気持ち応援
L|全力応援5万円
M|全力応援10万円
N|全力応援50万円
O|全力応援100万円
A|限定御朱印+散華「和」
A-2|限定御朱印+散華「吉田画伯」
B|限定御朱印+散華「1360年」
C|ぐい呑み+御朱印帳+参拝券2枚
E|寺僧の特別案内+奉納鏡奉納
F|南無仏太子像+古材台

支援者全体に「限定御朱印」が配布されることに

返礼品の数を用意できない事態に対して、法隆寺の公式は次のような対応で
当初返礼品として付いていなかった支援者に対しても「限定御朱印」を配布することとなりました。

ご希望いただいたお品を準備できず誠に申し訳なくお詫び申し上げます。

ただ御朱印につきましては、当寺にて準備が出来ることから、「全力応援K~O(返礼品無し)」のプランを含み、御朱印がついていない「D~I」のご支援を頂いた方のうち御朱印をご希望される方にも「限定御朱印」をお届けさせて頂くことと致しました。

つきましては、本日までに該当のコースをご支援いただいた皆様には、追って個別にメッセージをお送りさせて頂きます。限定御朱印のお届けをご希望の方は、そちらのメッセージにて、支援募集終了の7月29日(金)までにご希望の旨をご連絡いただけますと幸いです。このような事態を招き、誠に申し訳ございませんが、どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。合掌

法隆寺 公式