tiktokで「ギリギリダンス」をきっかけにNHK紅白歌合戦の出演まで決まった
こっちのけんと『はいよろこんで』
一度聴いたら忘れられないキャッチーでリズミカルな楽曲ですが
聞き入ってくると、モールス信号をはじめとした歌の歌詞やミュージックビデオのアニメーションも特徴的で、どこか意味ありげな印象があります。
そこで今回は、”ギリギリダンス”の歌こと『はいよろこんで』の歌詞の意味や元ネタ、こっちのけんとさん、かねひさ和哉さんについて掘り下げました。
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ギリギリダンスとは、元ネタは?
ギリギリダンスとは、『はいよろこんで』のサビで流れるフレーズに合わせて、両手を左右に振り、膝を屈めるダンスですね。
歌詞全体としては、日頃の社会生活で感じる苦悩や痛みに向き合う、といったテーマを表現しているように思われます。
“ギリギリ”とあるように、心身ともに極限な状況に追い込まれているのでしょうか。
そんな状態でも、ギリギリダンスをみんなで踊ることで、”ギリギリ”を乗り越えていこう!といった、ネガティブな現状のなかでもポジティブに足掻いていくといった
同じように苦しむ人たちにむけた、共感と応援のメッセージが込められた名曲といえます!
「はいよろこんで」歌詞の意味
まずは『はいよろこんで』の題名についてですが、アニメーションにも表現されているように他人に頭を垂れ、本当は従いたくなくてもときに自分を押し殺し”YES”笑顔で対応する、息苦しさを表現した一言なのではないでしょうか。
3から6マス、モールス信号の意味
昔からある通信手段モールス信号とは
A〜Zと0〜9を「・(トン)」と「-(ツー)」で表すという符号を通信するもの。
「・・・ — ・・・(トントントン ツーツーツー トントントン)」
の意味は「S O S」です。
「ならせ君の三から六マス」は心電図の正常値の範囲のことです。
心拍の正常値は50BPM〜100BPMと言われ
心電図では送り速度25mm毎秒、1マスは5mm間隔。
3から6マスの心拍の振り幅が1回あれば正常、それ以上なら頻脈、それ以下なら徐脈になります。
したがって、「鳴らせ 君の3から6マス ・・・ — ・・・」とは
[「嫌なこと思い出して(怒り我慢し苦しむ)」]
「君の心拍が正常なうちにSOSを出そう」
という意味に捉えていいでしょう。
MVアニメーションの意味
MVの特徴的なアニメーションは
昭和風のノスタルジックな画調を得意とするアニメーター・かねひさ和哉さん制作のものです。
アニメーションの概要は以下の通りです。
冒頭のメッセージは「この世界に生きる すべてのいきづらい人たちへ」
はじめに、ハート(心臓)が半分に減ったようなキャラクターが登場し
笑顔で「はいよろこんで」とお辞儀する男性。
不満げな表情で「はいつつしんで」と見つめる男性。
スマホにうつる不安げな女性も途中から登場。
無表情、無個性の群衆。
布団にくるまる男性。
男性たちはサビとともに踊り出します。
歌詞には出てきませんがアニメでは
「社会に対する漠然とした恐怖
朝になると社会と自分のダンゼツを感じる」と言っている場面も。
身体の扉から出てくる半分ハートのキャラは繰り返し登場します。
おそらく、すでに半分のハート(体力ゲージ?)が消耗しているので、SOSを発しているということなのでしょう。
つまり、現代の労働者層が抱えるストレスやプレッシャー、不満をまずは踊ることで吐き出そう。
本格的にストレスで病んでしまわないうちに周りに助けを求めよう。
歌詞に「ハクナ・マタタ」とあるように
スワヒリ語で「どうにかなるさ、くよくよするな」とわたしたちを励ましてくれているようですね!
こっちのけんと=双極性障害、病気の生きづらさを歌詞に
わたしたちに勇気を与える歌を歌ってくれる「こっちのけんと」さんですが、自身も病により社会への生きづらさを感じていたようです。
こっちのけんとさんは、双極性障害であると公言しています。
双極性障害とは躁うつとも呼ばれ、脳の病気です。世界的にはおよそ100人に1人がかかるといわれており、完治治療の難しい病気です。
症状が悪化すると入院、死の危険もあります。
病気の原因として、遺伝や生活習慣・ストレスなどの環境も関わっているといわれていますが、完全には解明されていません。
こっちのけんと、としてではなく”菅田将暉さんの弟”という世間の目やレッテルにも苦しんでいたのでしょうか。
ご本人の苦しみはきっと周りからは想像することのできない辛さでしょう。
しかし、こっちのけんとさんは自身の苦難、病気やフラストレーションを見事に昇華し「はいよろこんで」をはじめとするヒット曲を生み出しました!
かねひさ和哉って誰?こっちのけんととの共通点
「はいよろこんで」のヒットはギリギリダンスや楽曲によるものだけでなくMVアニメの影響も少なくないでしょう。
MV アニメ制作は先述のかねひさ和哉さん。
そんな彼もまた、精神を病んだ経験を持ちます。中学時代のいじめのトラウマや制作活動に対する誹謗中傷、スランプ、認知症の祖父など多くの苦しみのなかアニメ制作活動を続けています。
こっちのけんとさん、かねひさ和哉さんはともにとくに精神的な苦しみ、社会の生きづらさを実際の経験した、いわば同志なのでしょう。
2人の共通点、共通の人生のテーマ”生きづらさ”が原動力となり「はいよろこんで」のクオリティ、影響力は日本中に広がっていったまさにシナジーの成功例といえるのではないでしょうか。
まとめ
- ギリギリダンスはメンタルのギリギリを表現
- 社会の生きづらさが歌詞に
- 3から6マス=正常な心拍数
- モールス信号=SOS
- こっちのけんと は双極性障害
- かねひさ和哉も精神疾患を経験
- 2人の共通点が「はいよろこんで」ヒットの理由