はじめに
漫画『ダンダダン』には、現実とは異なる異空間「虚空(こくう)」が登場します。
これは単なる舞台装置ではなく、物語の緊張感やキャラクターの戦い方に大きく影響を与える存在です。
本記事では、作中設定・哲学的な語源・ファンの考察を交えて、この「虚空」の正体を深掘りします。
作中での「虚空」=異星人の異空間生成能力

虚空は、セルポ星人が霊力の高い人間を隔離するために生成する閉鎖空間です。
物語が進むにつれて、バモラの着ている怪獣スーツにも、任意に虚空を生成できることが判明しました。
怪獣スーツは、シュメール人の星に侵略したエイリアン集団の「ビッグママ」から生成されたものでした。
したがって、虚空とは異星人の間ではけっこうありふれた技術や能力なのかもしれません。
「虚空」の特徴
• 現実空間のコピー
家庭科室や街並みなど、現実と全く同じ情景を再現します。見た目や構造は本物と区別がつかないほど精巧。
• 完全隔離構造
招かれた者だけが存在し、外部の人間は介入不可能。
• 現実への影響なし
虚空内で建物が破壊されても、現実世界には一切影響が及びません。
• 展開方法は機械仕掛けの可能性も
セルポ星人が持つ装置による人工的な空間生成と推測される描写があります。
哲学・宗教的「虚空」の意味と意義
「虚空」という言葉は、仏教やインド哲学にも登場します。
• 仏教的な虚空
一見「無」に見えるが、全てを内包し、あらゆる存在の可能性を含む領域。
• インド哲学のアーカーシャ(空)
物質と精神の根源的空間であり、制限のない広がり。
これらの背景から考えると、虚空は「何もないが全てを含む世界」を象徴しており、作中で現実そっくりの空間が別次元に存在するという設定にも奥行きを与えています。
虚空の物語的役割
『ダンダダン』における虚空は、単なる背景ではなく、以下のような機能を果たしています。
1. 戦闘専用ステージ
外部に被害が出ないため、派手な能力や大規模破壊を描ける。
2. 緊張感の演出
閉鎖空間ゆえに逃げ場がなく、戦いは必然的に直接対決になる。
3. キャラクターの能力試験場
狭い環境や複製空間での戦術が問われ、キャラの成長が描きやすい。
虚空の性質(まとめ)
・設定:セルポ星人が機械または能力で生成する隔離空間
・構造:現実を精密コピーしつつ、別次元に存在
・特性:外部影響なし・呼び込まれた者以外存在しない
・象徴性:仏教的「虚空」の概念を踏まえた、無限性と隔離性の融合
まとめ
『ダンダダン』の虚空は、科学と哲学の境界にある異空間です。
現実のコピーという設定は視覚的インパクトを与え、閉鎖性は物語の緊張感を高めます。
また、「虚空」という名称は、仏教や哲学の背景を感じさせ、単なるSFガジェットではない深みを作品にもたらしています。
ストーリー上、虚空の存在は不可欠なものになりそうですから、今後その正体も物語に明らかになるかもしれなくて楽しみですね!