【ダンダダン】煙々羅(えんえんら)とは?|煙の妖怪の能力、元ネタ、正体とは

アニメ漫画
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漫画「ダンダダン」203話にて、敵キャラと思われるものに星子さんが、猛攻撃を受けます。

その際に星子さんの反撃を繰り出しますが、なぜか当たりません!

そして、星子さんが

「テメェ 煙々羅(えんえんら)か」

と気付く場面があります。

そこで、今回は”煙々羅(えんえんら)”とは何なのか?掘り下げて解説します。

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煙々羅(えんえんら)とは?

煙々羅(えんえんら)は、日本の妖怪の一種で、「煙の中に現れる存在」として知られています。

その姿は人間に似ていることもあれば、煙そのもののように捉えどころのないこともあり
時代や地域、資料によって描写はさまざまです。

「えんえんら」「えんえんりゃ」と読まれることもあります。

煙々羅の元ネタは?江戸時代の妖怪絵巻に登場

煙々羅が文献に登場する最も有名な例は、江戸時代の絵巻『画図百鬼夜行』(鳥山石燕・作)です。

  • 登場作品:『画図百鬼夜行』(1776年頃)
  • 描写:煙の中から女性のような姿が現れている。
  • 名前の由来:「煙々(えんえん)」と立ち上る煙、「羅(ら)」は妖怪の語尾につくことが多い(例:夜叉羅)。

鳥山石燕の作品では、煙が立ちのぼる様子の中に、うっすらと顔のようなものが見えるという曖昧な描き方をされており、「姿ははっきり見えない」「得体が知れない」といった特徴が強調されています。

煙々羅(えんえんら)の特徴と能力

煙々羅の特徴は

「煙の中に潜む」

「実体がない」

「人に害をなす」

といった点に集約されます。

  • 煙の中に現れる:焚き火や線香、火事などで発生する煙に紛れて出現。
  • 実体がなく捉えられない:煙そのもののように、触れようとしても掴めない。
  • 人に病や不安をもたらす:居合わせた人の心を惑わせたり、病気を引き起こす

    という伝承もある。

煙々羅はどこに出る?現れる場所や正体とは

煙々羅が現れるとされるのは、主に以下のような場所だと言われます。

  • 山中でのたき火の煙
  • 寺や墓地の線香の煙
  • 火事現場の立ちこめる煙
  • 煙草屋、風呂場、蒸気のこもる場所

つまり、「煙があるところ」=「異界との境界」として、そこに妖怪が潜んでいるという考え方が見られます。

煙々羅に関する伝承や迷信

地方によっては、以下のような俗信・伝承が語られてきました。

  • 煙の中で声が聞こえたら、それは煙々羅の囁き。
  • 子どもが煙を見て怯えると、「煙々羅が見えた」と言われた。
  • 火事現場で奇妙な影を見たという証言が、煙々羅の仕業とされた。

ただし、煙々羅は他の妖怪に比べて「物語性」が少なく、口承ではなくビジュアル表現(絵巻や図鑑)で伝わってきた妖怪の典型です。

なぜ「煙」は妖怪と結びつけられるのか?

日本の妖怪文化では、「煙」や「霧」、「影」などの“曖昧なもの”“形を変えるもの”は、異界や霊的存在と強く結びついています。

煙は

  • 形がなく
  • つかめず
  • 姿を変え
  • 視界を遮り
  • 呼吸を苦しめる

つまり、「人間の理性や安全を侵す」存在なのです。

この性質が、得体の知れない恐怖=妖怪という概念にピッタリと一致します。

煙々羅は他のアニメ・ゲーム・漫画にも登場

煙々羅は、その独特なビジュアルと曖昧な性質から、現代のフィクションにも頻繁に登場します。

有名な登場作品例

  • 『ぬらりひょんの孫』:妖艶な女性妖怪として登場し、煙を操る能力を持つ。
  • 妖怪ウォッチ:キャラ名「えんえんら」で登場。泣き上戸の妖怪として、子ども向けに可愛らしくアレンジ。
  • 百鬼夜行シリーズ(小説):古典妖怪の一員として登場。

まとめ|煙々羅は「見えない恐怖」の象徴

煙々羅は、他の妖怪のように人を喰うわけでも、恐ろしい姿をしているわけでもありません。

しかし、その「捉えどころのなさ」「不気味な存在感」によって、人々の不安や恐怖を掻き立ててきました。

  • 形を持たない存在
  • 見えているのに掴めない
  • 呼吸を妨げ、視界を奪う

このような“得体の知れないもの”こそ、人間にとって最も根源的な恐怖かもしれません。

煙々羅は、まさにそんな「曖昧な恐れ」を体現する妖怪なのかもしれませんね。