「今日は何もしたくない」
そう思ったとき、私はよく考えてしまう。
これは、ただの怠けなのだろうか。
それとも、うつの症状なのだろうか。
あるいは、単純に「サボり癖」がついてしまっただけなのだろうか。
休んでいるのに何もする気になれない。
仕事に行きたくない。
勉強もしたくない。
スマホを触って一日が終わる。
そんな日が続くと、
「自分は甘えているだけなんじゃないか」
という疑いが出てくる。
でも、この問題は「やる気があるか、ないか」だけでは判断できない。
むしろ重要なのは、「やらない」のか、「やりたいのにできない」のかという違いだと思う。
「怠け」と「うつ」は、見た目では区別できない
外から見ると、
「仕事を休んでいる人」
「布団から出ない人」
「何もせずスマホを見ている人」
は、どちらも同じように見える。
本人から見ても難しい。
「今日は疲れたから休んでいるだけ」
なのか、
「心身の機能が落ちていて、本当に動けない」
のか。
しかも、うつ状態になると判断力や自己評価そのものが落ちることがある。
だから、
「自分は怠けている」
という自己評価自体が、正しいとは限らない。
逆に、何でも「鬱病だから仕方ない」と考えてしまえば、自分の生活習慣を改善できることを放置してしまう可能性もある。
だから必要なのは、自分を責めることでも、何でも病気を理由にすることでもない。
怠けかどうか、自分でわからないとき
客観的に判別する方法は
一言でいえば
以下のように”状態を観察すること”
これが地味だけど、一番現実的だと思う。
判別法①「やりたいけどできない」のか?
まず、一番わかりやすいのがこれ。
たとえば、
「今日はブログを書きたい」
と思っている。
PCも目の前にある。
時間もある。
でも、なぜか身体が動かない。
PCを開いても頭が働かない。
文章を考えようとしても何も出てこない。
結局、布団に戻ってしまう。
この場合、
「やりたくないからやらない」
というより、
「やりたい気持ちはあるのに、実行する機能がついてこない」という状態。
一方で、
「ブログを書くよりゲームをしたい」
「今日は面倒だからやめておこう」
という感覚なら、単純な先延ばしや優先順位の問題である可能性もある。
もちろん、これだけでうつとは判断できない。
でも、
やりたい気持ちはある
↓
でも動けない
↓
動けない自分を責める
という状態が繰り返されているなら、単なる「サボり」と決めつけず、休息するサインなのかもしれない。
判別法②「好きなことならできる?」
仕事はしたくない。
でもゲームならできる。
YouTubeなら何時間でも見られる。
友達との遊びなら喜んで出かける。
この場合は、
「仕事そのものが嫌なのでは?」
「その環境にストレスを感じているのでは?」
「単純に休息が必要なのでは?」
など、いろいろな可能性がある。
一方、
仕事だけではなく、
ブログも嫌。
ゲームも面倒。
漫画も読めない。
YouTubeを見るのも疲れる。
人と話すのも面倒。
好きだったことまで楽しくない。
となってくると、単純な「仕事をサボりたい」という話とは少し違ってくる。
うつ状態では、興味や楽しさが低下することがあるからだ。
つまり、
「嫌なことができない」のか、「好きなことまでできない」のか。
しかし、嫌なことだけ避けている=怠け、というわけでもない。
他の判別法では動けなさそうな兆候があれば、これはまた休息すべきタイミングだと思う。
判別法③「休んだら回復する?」
「疲れたから今日は休もう」
これは普通のことだ。
人間は疲れる。
仕事を頑張れば休みたくなる。
勉強を続ければ、何もしたくない日もある。
問題は、その後だ。
一日しっかり休んで、
「よし、今日はやってみよう」
となるなら、単純な疲労だった可能性がある。
ところが、
一日休む。
↓
まだ動けない。
↓
もう一日休む。
↓
それでも何もしたくない。
↓
さらに自分を責める。
となってくる。
こうなると、「休めば治る疲れ」だけでは説明できない可能性がある。
特に、何週間も続いているなら、怠けではない可能性が高い。
一度専門家に相談してみる価値がある。
「サボり癖」の特徴とは
ここで、サボり癖についても考えてみたい。
サボり癖というと、かなり悪い言葉に聞こえる。
でも実際には、
「やるべきことを先延ばしする習慣」
がついている、くらいに考えたほうがいい。
たとえば、
「15分だけやろう」
と思ったのにスマホを見る。
↓
SNSを見る。
↓
YouTubeを見る。
↓
気づいたら1時間。
↓
「今日はもういいや」となる。
これは病気とは限らない。
単純に、
「目の前の負荷から逃げる行動が習慣化している」
可能性がある。
特にスマホは非常に強力だ。
勉強や仕事は、始めるまでにエネルギーが必要になる。
一方でスマホは、ほぼ一瞬で刺激を与えてくれる。
だから、
「勉強する」
より、
「スマホを見る」
ほうに流れてしまう。
これは意志が弱いというより、人間の行動としてかなり自然な仕組みでもある。
サボり癖とは、ある種で本能的な状態であり、善でも悪でもないと思う。
むしろ、癖になることを身体が求めているから、それに従っているだけかもしれない。
それでも癖を治したいと思うのであれば、その時点で一歩進んでいる。
サボり癖がついた=堕落した人間
という烙印を押されてしまうが、それは個々人の能力や努力不足が原因とするのは少し短絡的ではないだろうか。
単に、習慣化のスキルがあるかどうかの問題
と割り切るのが正解だと考えている。
うつか怠けか、どうやって判別する?
僕が一番おすすめしたいのは、
「できるかどうかの実験」をすること。
たとえば、
「散歩に30分行こう」
ではなく、
「玄関まで行って靴を履く」
にする。
それすらできない。
こういう状態なら、
「意思が弱い」
だけでは説明しにくい。
逆に、
靴を履いたら普通に散歩できた。
PCを開いたら30分普通に書けた。
となるなら、
「始めるまでの心理的ハードル」
が問題になっている可能性がある。
つまり、最初の一歩を極端に小さくしてみる。
その一歩が踏み出せれば、怠けているという気持ちから解放されると気づくはずだ。
これが判別にもなる。
まとめ:「3つの質問」で判別する
迷ったときは、この3つを自分に聞いてみる。
①本当はやりたい?
「やらなければ」ではなく、
「元気だったらやりたい?」
と聞いてみる。
YESなら、意欲そのものは残っている。
②好きなこともできない?
仕事だけできないのか。
それとも、好きなことまで楽しめないのか。
ここを見る。
③休んだら戻る?
休息によって回復するのか。
それとも、休んでも何日も何週間も変わらないのか。
この3つを見るだけでも、自分の状態がかなり整理できる。
自分を責め続けることが1番危険
「俺は怠け者だ」
「サボり癖がついた」
「こんなことで休んでいて情けない」
こうやって自分を責め続けると、さらに行動できなくなる傾向にあると思う。
だから、
「怠けているかもしれない」
と思ったときほど、
「自分にいま何が起きているんだろう?」
と一歩引いて観察してみる。
眠れているか。
食べられているか。
好きなことを楽しめているか。
身体が重くないか。
集中力が落ちていないか。
以前できていたことができなくなっていないか。
何日、何週間続いているか。
こうした情報のほうが、
「自分は怠け者だ」
という自責より、ずっと建設的で役に立つ。
「病気か怠けか」の二択にしなくていい
人間は、
「うつ病だからできない」
か、
「怠けているからできない」
か。
どちらか一つに決めたくなる。
でも実際には、
疲労+ストレス+睡眠不足+習慣+気分の落ち込み
が全部重なっていることだってある。
たとえば、
仕事で疲れる。
↓
帰宅してスマホを見る。
↓
寝る時間が遅くなる。
↓
翌日さらに疲れる。
↓
仕事をしたくなくなる。
↓
休む。
↓
休んでいることに罪悪感を持つ。
↓
さらに気分が落ちる。
という循環だ。
ここには「怠け」だけでも「うつ」だけでもない。
だからこそ、
「自分は怠けているのか?」ではなく、「今、自分の行動を止めているものは何なのか?」
と考えたほうがいい。
今日からできる「サボり度チェック」
難しい記録は必要ない。
一日の終わりに、これだけ書いてみる。
今日の状態
- やる気:10点満点で何点?
- 体力:10点満点で何点?
- 楽しさ:10点満点で何点?
- 好きなことはできた?
- やろうと思ったことはできた?
- 休んだら回復した?
- 今日できたことは何?
最後の一つが意外と重要だ。
「何もできなかった」
ではなく、
「歯を磨いた」
「ご飯を食べた」
「シャワーを浴びた」
「5分だけ散歩した」
「病院に行った」
でもいい。
それも、その日の自分が使ったエネルギーだからだ。
最後に
「怠けているだけなのか?」
という疑問は、かなり苦しい。
特に、真面目な人ほど、
「もっと頑張れるはず」
「みんな働いている」
「これくらいできないとダメ」
と、自分を追い込んでしまう。
でも、本当に必要なのは、自分を責めることではない。
自分の状態を正確に把握すること。
「やりたくない」のか。
「やりたいけどできない」のか。
「嫌なことだけできない」のか。
「好きなことまでできない」のか。
「休めば回復する」のか。
「休んでも回復しない」のか。
そこを一つずつ見ていく。
そして、気分の落ち込みや興味・意欲の低下、睡眠・食欲・集中力の変化などが続いているなら、「自分は怠けている」と決めつけず、医療機関に相談する。
反対に、病気だと決めつけて何も変えようとしないのではなく、生活リズムやスマホの使い方、行動のハードルを小さくすることも試してみる。
結局、
「鬱か、怠けか」ではなく、「今の自分はなぜ動けないのか」
を考えることが、一番役に立つのだと思う。
自分を甘やかすためでも、自分を追い込むためでもない。
自分を正しく扱うために、自分の状態を知る。
そのくらいの距離感で、自分を観察していけばいいのではないだろうか。